琵琶湖疏水分線ランニング|蹴上から哲学の道・松ヶ崎・堀川まで9.5km【京都駅から14.7km・距離標つき】

コース紹介
コース概要|京都駅 → 蹴上 → 疏水分線 → 堀川紫明 14.67km
京都駅 → 蹴上(ねじりまんぽ):5.18km・36分17秒(鴨川と三条通)
疏水分線|ねじりまんぽ → 堀川紫明:9.49km・1時間19分35秒(京都市の「そすいさんぽ」コースは9.7km)
通し:14.67km・1時間55分52秒(南禅寺の境内を見て回った時間をふくむ)
帰り:堀川紫明 → 地下鉄鞍馬口駅 0.72km、地下鉄烏丸線で京都駅へ
走った日:2026年10月11日(日)朝6時ごろスタート
琵琶湖疏水を分けて走ってきたシリーズの最終回です

哲学の道の横を流れる水は、どこから来て、どこへ行くのか。答えは「琵琶湖疏水の分線(ぶんせん)」です。蹴上で本線から分かれて北へ流れ、北白川、松ヶ崎、下鴨を通って、堀川までつながっています。

京都市の公式散策ルート「そすいさんぽ 疏水分線コース」を、京都駅から走ってきました。道ばたには「琵琶湖から◯km」の標柱が立っていて、それを探しながら走るのも楽しいコースです。

9月に琵琶湖疏水ランニング|大津から京都・鴨川まで約13km【小関越の山越え・迷いやすい分かれ道も】と鴨川運河ランニング|夷川から伏見港・三栖閘門まで約13km【琵琶湖疏水の終点・橋の距離一覧】を走りました。今回の分線で、琵琶湖疏水を全部走ったことになります。

疏水分線とは|蹴上から北へ流れる琵琶湖疏水の枝分かれ

琵琶湖疏水は、明治時代に琵琶湖の水を京都へ引いた水路です。大津から蹴上までの本線(第1疏水)と、そこから分かれる疏水分線があります。

  • どこからどこまで:蹴上で本線から分かれ、南禅寺の水路閣を渡って北へ。哲学の道、北白川、松ヶ崎、下鴨を通って堀川へ
  • 何のため:沿線で水車を回す動力、田畑の水、火事のときの水に使うため
  • そすいさんぽ疏水分線コース:ねじりまんぽ(琵琶湖から約10.3km)から堀川紫明(琵琶湖から20km)まで、全長9.7km。歩くと3時間14分の目安
  • 「琵琶湖から◯km」の標柱が、道ばたに1kmごとに立っています

おもしろいのは、疏水分線は南から北へ流れていることです。京都の川はふつう北から南へ流れるので、一見すると坂を上っているように見えます。公式マップによると、山すその等高線に沿うように水路が通されているので、北へ向かってもちゃんと下っていくのだそうです。

京都駅から蹴上まで|鴨川を北へ、三条通を東へ

京都駅

京都タワー

塩小路橋の石碑

朝6時に京都駅を出発。まずは塩小路通を東へ進んで鴨川を目指します。塩小路橋を渡り、東岸から鴨川の河川敷へ降ります。

鴨川の河川敷に降りる階段

七条大橋

五条大橋

四条大橋

三条大橋

七条大橋、五条大橋、四条大橋と越えて、三条大橋で地上に上がります。鴨川は信号もなく道幅も広いので、やっぱりランニングにいちばん走りやすい道です。ここまで3.31km・22分51秒でした。

鴨川の橋ごとの距離は鴨川ランニングコース完全ガイド|橋32本の距離一覧【出町柳を起点に南北ぜんぶ走った】にまとめています。

川端三条の交差点

三条大橋のたもとのそすいさんぽの案内看板

三条大橋の駅伝発祥の地のモニュメント

三条大橋の東のたもとにも「そすいさんぽ」の案内看板がありました。そばには駅伝のモニュメント。三条大橋は「駅伝発祥の地」です。1917年(大正6年)、ここから東京の上野不忍池まで約508kmを3日かけてつないだ「東海道五十三次駅伝競走」が、日本で最初の駅伝といわれています。

早朝の三条通

東山三条の交差点

 

ここから三条通を東へ。三条通と東大路通が交わる交差点は「東大路三条」ではなく「東山三条」と表示されています。東大路通は「東山通(ひがしやまどおり)」とも呼ばれていて、交差点やバス停の名前にはこちらの呼び名が残っています。

三条神宮道から見た平安神宮の大鳥居

三条通の蹴上へ向かう上り坂

三条神宮道の交差点で北を見ると、平安神宮の大鳥居が見えます。高さ約24mの大きな鳥居で、三条通からでもよく目立ちます。

⚠️ この先からゆるい上り坂になります。蹴上まで続くので、ペース配分に気をつけてください。

粟田神社の鳥居

坂の途中に粟田神社(あわたじんじゃ)の鳥居があります。平安時代の876年に建てられたと伝わる神社で、旅立ちの神様として知られています。このあたりは「粟田口(あわたぐち)」と呼ばれ、京の都から東海道へ出ていく出入口でした。旅に出る人がここで道中の無事を祈ったそうです。境内には刀鍛冶の三条宗近と粟田口吉光をまつる鍛冶神社もあります。

蹴上の交差点

地下鉄東西線の蹴上駅

坂を上りきると、丁字路の蹴上(けあげ)の交差点です。難読地名でよく出てくる漢字ですね。源義経がここで、馬に水を蹴り上げられたという言い伝えから付いた名前ともいわれています。

横断歩道を渡って右へ進むと、ねじりまんぽの入口の先に地下鉄東西線の蹴上駅があります。疏水分線だけを走りたい人は、ここで降りてスタートするのがおすすめです。

ねじりまんぽから疏水分線のスタート

ねじりまんぽの看板

ねじりまんぽの外観

琵琶湖疏水の案内

ねじりまんぽのトンネルの中

蹴上駅から少し戻って、ねじりまんぽに到着。上を走っていたインクライン(船を台車に載せて運んだ坂道の線路)の下をくぐる、明治時代のレンガのトンネルです。レンガがねじれるように斜めに積まれていて、何度見ても味があります。「そすいさんぽ」の看板もここにありました。

ここがそすいさんぽ疏水分線コースのスタート(琵琶湖から約10.3km)。京都駅から5.18km・36分17秒でした。

蹴上インクラインへ行く道

南禅寺へまっすぐ続く道

ねじりまんぽを抜けてすぐの交差点を右に行くと蹴上インクラインですが、今日は寄らずにまっすぐ進みます。インクラインは琵琶湖疏水ランニング|大津から京都・鴨川まで約13km【小関越の山越え・迷いやすい分かれ道も】でくわしく紹介しています。

南禅寺と水路閣|疏水が境内をレンガの橋で渡る

金地院の東照宮の門

金地院の東照宮の紹介看板

金地院の東照宮の入口の門

まっすぐ進むと、南禅寺の塔頭(境内にある小さなお寺)金地院(こんちいん)の東照宮があります。徳川家康の遺言で、側近の僧・以心崇伝が1628年に家康の遺髪と念持仏をまつったと伝わります。社殿は国の重要文化財で、京都でただひとつの権現造り。日光東照宮と同じように色鮮やかです(金地院の中は拝観料がいります)。

南禅寺の中門

南禅寺の三門

南禅寺の法堂

門をくぐって大きな通りに出ると、右手に南禅寺の中門。南禅寺に到着です。

三門は、1628年に藤堂高虎が寄進した大きな門で、国の重要文化財。歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな」と言った門として有名です。その奥のお堂が法堂(はっとう)で、今の建物は明治42年(1909年)に建て直されたものです。写真を撮ってお参りしました。

10月の南禅寺の紅葉(まだ緑)

南禅寺の紅葉は、10月11日の時点ではまだ緑。少しだけ赤くなりかけている木がある程度で、見ごろはまだ先です。

南禅寺の水路閣

水路閣のレンガのアーチの中

水路閣の紹介看板

南禅寺の境内の横にあるのが水路閣。疏水分線の水を通すための、レンガとアーチの水路橋です。長さは約93m。明治時代、田辺朔郎の設計で、お寺の景色に合うように造られました。今も上を水が流れていて、疏水を代表する建物です。

疏水分線は水路閣を渡ったあと、南禅寺の裏山のトンネルに入ります。このあと若王子までは水路沿いを歩けないので、道路を走ります。

南禅寺の大寂門

水路閣から南禅寺の境内をぐるっと回り、北側の大寂門の前に出て、その先の道を北へ進みます。ねじりまんぽから大寂門までは、境内の見学をふくめて1.01km・9分41秒でした。

南禅寺から若王子へ|琵琶湖から11kmの標柱

東山高校の手前の赤レンガの水路(扇ダム放水路)

東山高校の手前に、赤レンガの水路がありました。公式マップでは、このあたりに「扇ダム放水路」と書かれています。トンネルの中を流れる疏水分線には「扇ダム」という水をためる場所があり、余った水をこの放水路で南禅寺の船だまり(本線の側)へ戻しているそうです。本線の水はそこから鴨川へ流れていくので、「鴨川へ行く疏水」という感じ方は、半分当たりです。

琵琶湖から11kmの標柱

このあたりで「琵琶湖から11km」の標柱を発見(6.27km地点)。水路は見えなくても、この道で合っているんだと実感できます。

永観堂の石碑

永観堂の門

その先が永観堂(えいかんどう)。正式には禅林寺といい、「もみじの永観堂」と呼ばれる紅葉の名所です。こちらもまだ緑でした。

そすいさんぽの案内板

哲学の道の石碑

哲学の道へ向かう道

哲学の道の石畳

進むと、交差点の角に「哲学の道」の石碑があります。ここを右に曲がります。その先に石畳の道があります。公式マップによると、哲学の道のあたりには昔の京都市電の線路に敷かれていた石が再利用されているそうです。

そすいさんぽの案内板

若王子橋

若王子橋の石碑

熊野若王子神社

石畳を進むと若王子橋(にゃくおうじばし)。渡った先が熊野若王子神社です。1160年に後白河法皇が紀州の熊野の神様を迎えてまつったのが始まりといわれます。

ここで疏水がトンネルから出てきて、哲学の道の始まりです。公式マップによると、すぐそばの若王子取水池で疏水の水を取り、地下の管で松ヶ崎浄水場へ送っています。この先で出てくる松ヶ崎浄水場とつながる話です。

哲学の道|走るなら横の土の道がおすすめ

哲学の道の石碑

哲学の道

疏水沿いの細い道

哲学の道の横の広い土の道

哲学の道から見た京都の市街

哲学の道は、京都大学の哲学者・西田幾多郎たちが考えごとをしながら歩いたことから、この名前が付いたといわれます。

🏃 走る人へ:疏水のすぐ横の道は雰囲気がいいのですが、石畳1枚分の幅しかなく、走るには窮屈です。その隣に少し広い道があるので、そちらを走るのがおすすめ。ほとんどが土の道で、少しデコボコしているので足もとに注意。雨のあとはぬかるみそうですが、晴れていれば問題ありません。朝6時台は人も少なく、気持ちよく走れました。

大豊神社の参道

大豊橋から見た疏水

大豊神社(おおとよじんじゃ)の参道があります。887年、宇多天皇の病気が治るよう祈られたことにゆかりがある古い神社です。狛犬のかわりに「狛ねずみ」がいることで知られていて、ほかに狛猿や狛鳶(とび)もいます。

哲学の道の琵琶湖から12kmの標柱

「琵琶湖から12km」の標柱(7.31km地点)。11kmの標柱から1.04kmで、ほぼぴったりです。

哲学の道の櫻橋

櫻橋の先の坂の上の鳥居

古そうな石の櫻橋。橋の向こうに鳥居のようなものが見えました。何があるのかは、今回は確かめられていません。

洗心橋

洗心橋の疏水の石碑

洗心橋の先の道

哲学の道の案内看板

洗心橋(せんしんばし)には「疏水」としっかり書かれていて、これが疏水なんだとわかります。洗心橋は法然院に行くのにいちばん近い橋です。

法然院は、法然上人が弟子たちと念仏をした草庵がはじまりで、1680年に知恩院の萬無上人たちが再興したお寺です。茅葺きの山門と、白い砂を盛った白砂壇(びゃくさだん)で知られ、作家の谷崎潤一郎のお墓もあります。境内は朝6時から入れます。

弥勒院の幸せ地蔵尊

その先に幸せ地蔵尊。哲学の道沿いの小さなお寺・弥勒院の入口にあるお地蔵さんです。名前に惹かれて、思わず手を合わせたくなります。

銀閣寺への道

銀閣寺橋の石碑

哲学の道の紹介板

銀閣寺橋の近くの疏水

銀閣寺橋の近くの公衆トイレ

銀閣寺橋に到着。右へ進むと銀閣寺ですが、今日は寄らずに疏水沿いを進みます。銀閣寺橋の近くに公衆トイレがあります。

若王子橋から銀閣寺橋まで、哲学の道は1.54km・11分50秒でした。銀閣寺まで足をのばしたコースは二条城から哲学の道・銀閣寺ランニングコース|約14km・1時間53分【南禅寺も】で紹介しています。

地点 距離 タイム 前の地点から
若王子橋 6.65km 50分08秒 —
大豊神社の参道 7.10km 53分35秒 0.45km・3分27秒
琵琶湖から12km 7.31km 55分17秒 0.21km・1分42秒
櫻橋 7.54km 56分54秒 0.23km・1分37秒
洗心橋 7.79km 58分59秒 0.25km・2分05秒
幸せ地蔵尊 8.03km 1時間00分39秒 0.24km・1分40秒
銀閣寺橋 8.19km 1時間01分58秒 0.16km・1分19秒

白川との交差|疏水が川の下をくぐる不思議

琵琶湖から13kmの標柱

疏水の横の遊歩道

関雪桜の紹介板

銀閣寺橋の近くのトイレから先は、疏水のすぐ横に遊歩道が整備されていて、水路の真横を走れます。「琵琶湖から13km」の標柱(8.24km地点)もありました。

哲学の道の桜は「関雪桜(かんせつざくら)」と呼ばれます。近くに住んでいた日本画家の橋本関雪が、夫人の提案で、1921年(大正10年)に京都市へ桜の苗木を寄贈したのが始まりです。

疏水が白川の下をくぐるところ

白川

西田橋の石碑

白川の下をくぐった疏水の出口

進むと、疏水と白川が交わる場所があります。西田橋のところです。見ていると、疏水の水は白川に流れ込んでいないのに、向こう岸にはまた疏水が続いています。水はどこへ行ったのか不思議でした。

答えは、疏水が白川の川底の下をくぐっているから。公式マップには「逆サイフォンの仕組みで水を上下に移動させている」と書かれています。手前の岸で石垣の穴に吸い込まれた水は、白川の下を通って、向こう岸で同じ高さまで湧き上がってきます。じょうろの注ぎ口に水が上がってくるのと同じ原理です。だから白川の水と混ざらずに、川を越えられるのです。余った水は、横の穴から白川へ流しているそうです。

哲学の道の終点の看板

今出川白川の交差点

今出川白川の交差点で哲学の道は終わりです。でも疏水分線はまだまだ続きます。

北白川|自転車も通らない歩行者専用の道

今出川白川の先の疏水沿いの道

疏水沿いの二股の道

北白川の疏水

道が途切れて渡る橋

疏水沿いに進むと、道が二股に分かれます。左は一般道、右は疏水沿い。右が正解で、ずっと疏水沿いを走れます。途中で道が途切れるので、橋を渡って反対の岸に移ります。そこからはずっと疏水の右側を走りました。

志賀越道の石の円柱(送水管の点検口)

石の円柱の足もとの赤レンガ

志賀越道のところの疏水

志賀越道(しがごえみち)を渡るところに、石の煙突のような大きな円柱があります。足もとには赤レンガも使われています。

疏水分線を歩いた人の記録によると、これは松ヶ崎浄水場へ水を送る地下の管の「点検口」らしいです。若王子取水池で取った水は、この下を通って浄水場へ送られています。同じ記録によると、この交差点を境に、水路の担当が京都市の上下水道局から建設局に変わるそうです。

志賀越道は、京都から山を越えて琵琶湖の西岸へ抜けた古い道です。疏水と同じく琵琶湖と京都を結ぶ道が、ここで交わっています。

北白川の疏水沿いの道

歩行者専用道路の看板

北白川の疏水

ここから先は歩行者専用道路。自転車も通れません。自転車が来ないうえに道幅もそこそこあるので、とても走りやすい道です。木の根っこが盛り上がってデコボコしているところはありますが、基本は快適。疏水分線でいちばん走りやすい区間でした。

琵琶湖から14kmの標柱

「琵琶湖から14km」の標柱(9.23km地点)。13kmの標柱からは0.99kmでした。

駒井家住宅の紹介看板

駒井家住宅の外観

途中に駒井家住宅の紹介看板があります。遺伝学者の駒井卓(こまい たく)博士の自宅として、1927年(昭和2年)に建てられた家です。設計は、たくさんの洋館を残したヴォーリズの建築事務所。スペイン風の木造2階建てで、京都市の文化財になっています。今は日本ナショナルトラストが管理していて、金曜と土曜に公開されています(予約制。夏と冬はお休み)。

金木犀と疏水

疏水を泳ぐカモ

10月の疏水沿いは金木犀のいい香り。カモものんびり泳いでいました。

叡電の踏切から高野川へ|疏水の水は高野川に流れ出る

叡山電車の線路の下をくぐる疏水

線路をくぐった先の疏水

叡電の踏切の先の道

高野川の手前の疏水

北大路通の近くで叡山電車の踏切を渡ります。疏水は線路の下をくぐっています。歩行者専用の道はここで終わり、ここからは一般の道です。

賀茂波爾神社(赤の宮)の石碑

賀茂波爾神社の鳥居

賀茂波爾神社(かもはにじんじゃ)。下鴨神社に属する神社で、地元では「赤の宮(あかのみや)」と呼ばれています。

高野川

高野橋の東詰

高野川を渡った向こう岸

高野川の西岸の道

高野川を越えたところの道

疏水が地下に入り、その先で高野川に突き当たります。疏水の続きは高野川の向こう岸ですが、まっすぐは渡れません。南の高野橋まで回り道をして渡り、向こう岸を北へ戻ります。

じつは、ここにもうひとつ秘密があります。明治の開通のころ、疏水は高野川の下を木の管(長さ約164m)でくぐっていました。でもその後の川の工事で取り外され、今は哲学の道から流れてきた水は、ここで高野川に流れ出ています。高野川そのものは高野川ランニングコース|出町柳から往復約4.7km・43分【橋ごとの距離一覧】で走っています。

松ヶ崎から下鴨へ|だんだん細くなる疏水

松ヶ崎浄水場

トンネルから出てきた松ヶ崎の疏水

疏水のトンネルの赤レンガ

松ヶ崎の先の疏水

向こう岸には松ヶ崎浄水場(1927年完成)があり、その先で疏水がまた地上に出てきます。

でも、さっき高野川に流れ出たのなら、この水はどこから来ているのでしょう。現地を歩いた人の記録によると、浄水場の方から出てくる水や、下鴨で交わる泉川(高野川から引いた水路)の水が流れているようです。浄水場で使う水は、若王子から地下の管で別に送られてきています。

疏水沿いを進むと、だんだん幅が狭くなっていくのがわかります。それでもトンネルに赤レンガが使われていて、ちゃんと疏水なんだとわかります。

北園橋の石柱(きたぞのはし)

北園橋の疏水の石碑

北園橋から見た疏水

疏水がトンネルに入るところ

北園橋(きたぞのはし)には疏水の石碑。その先で、疏水がトンネルに入っていきます。北大路下鴨中通の交差点の少し手前で、ここが疏水を目で見られる最後の場所でした。

⚠️ 北大路通を過ぎてからは、15km〜19kmの標柱は見つけられませんでした。ずっと疏水の右側を走っていたので、反対側にあったのかもしれません。公式マップでは、15kmは北大路通のあたり、16kmは赤の宮橋のあたり、18kmは北大路橋、19kmは紫明通にあることになっています。次に走る人は、左側も見てみてください。

賀茂川を越えて紫明通へ|疏水の水は川の下をくぐって堀川へ

北大路下鴨中通の交差点

緑地が続く道

丁字路の突き当たり

電柱のそすいさんぽの案内看板

その先は、道の真ん中に緑地が続きます。この下を疏水が通っているのでしょう。進むと丁字路で行き止まり。電柱に「そすいさんぽ」の案内看板があるので、その案内どおりに進みます。

北大路橋の石碑

北大路橋から見た鴨川

北大路橋を渡って南へ下る道

北大路橋を渡ります。疏水分線は、ここで賀茂川と交わっています。

明治のころは、賀茂川の下も木の管(長さ約218m)でくぐり、紫明通に沿って西へ流れて、堀川へ注いでいました。戦後に道路を広げたときに水路は埋められ、しばらくは途切れていました。今は2009年に整備された「賀茂川サイフォン」で、疏水の水を賀茂川の下にくぐらせ、ポンプでくみ上げて、紫明通の中央分離帯のせせらぎに流しています。

紫明通の中央分離帯のせせらぎ

紫明通

烏丸紫明の交差点

紫明通の中央分離帯の公園

北大路橋を渡ったら、紫明通(しめいどおり)を西へ。道の真ん中に緑地や公園があり、せせらぎが流れています。

紫明通は、戦争中までは松ヶ崎から来た疏水が流れる細い道でした。それが今の大きな通りになり、近くに住んでいた『広辞苑』の編者・新村出(しんむら いずる)が「紫明通」と名付けたそうです。烏丸紫明の交差点を渡って、さらに西へ進みます。

堀川紫明|琵琶湖から20km、ちょっと拍子抜けのゴール

堀川紫明の交差点

堀川紫明の公園

琵琶湖から20kmの標柱とそすいさんぽの案内看板

堀川紫明の交差点に到着。ここが疏水分線のゴールです。小さな公園の中に「琵琶湖から20km」の標柱と、そすいさんぽの全体の案内看板があります。

京都駅から14.67km・1時間55分52秒。ねじりまんぽからは9.49km・1時間19分35秒でした。

ただ、終点らしい記念碑があるわけではなく、案内看板で「ここが終点か」とほんのりわかる程度。ここまで長い道のりだったので、少し拍子抜けでした。

紫明通の中央分離帯の終わり

紫明通の中央分離帯は、ここで終わります。では疏水の水はどうなるのか。せせらぎは堀川通の中央分離帯を南へ続き、今出川通から先は堀川に流れ込みます。堀川には今出川から御池まで、せせらぎと遊歩道が整備されています。つまり琵琶湖の水は、二条城のそばの堀川まで流れていっているのです。

帰り|鞍馬口通で薩長同盟の地へ

鞍馬口通

擁翠園の看板

擁翠園の門

帰りは地下鉄鞍馬口駅へ向かいます。堀川紫明の交差点から少し東へ進むと鞍馬口通があるので、その道を東へ。

途中に擁翠園(ようすいえん)があります。室町時代の管領・細川満元の屋敷が始まりで、1610年に徳川家康が、刀の飾り金具を作る名人・後藤長乗にこの土地を与えました。長乗が加賀藩主の前田利常や小堀遠州の助けを借りて造ったといわれる庭で、琵琶湖をかたどった池があります。明治以降は三井家の別邸にもなりました。疏水の終点のそばに琵琶湖の庭、というのもおもしろい偶然です。

近衛家別邸の紹介看板

薩長同盟の石碑

御花畑屋敷の石碑

小松帯刀の石碑

その先に近衛家別邸「御花畑御屋敷(おはなばたけおやしき)」の跡の石碑と紹介看板があります。幕末の1866年、坂本龍馬の仲立ちで、西郷隆盛と木戸孝允が薩長同盟を結んだ場所です。当時は薩摩藩の家老・小松帯刀が住んでいました。2016年に新しい史料が見つかり、鞍馬口通に面した約1800坪の大きな屋敷だったことがわかったそうです。

坂本龍馬ゆかりの場所は京都駅から御香宮神社ランニングコース|約15.5km・2時間【坂本龍馬ゆかりの伏見へ】でも走っています。

地下鉄烏丸線の鞍馬口駅

少し進むと烏丸通に出ます。烏丸通を少し北へ上がると鞍馬口駅の入口です。堀川紫明から0.72km・5分28秒でした。地下鉄烏丸線で京都駅まで乗り換えなし。朝9時ごろには京都駅に帰ってきました。

通過点とタイムの一覧

地点 距離 タイム 前の地点から
京都駅 0km — —
塩小路橋 0.85km 6分10秒 0.85km・6分10秒
七条大橋 1.07km 7分57秒 0.22km・1分47秒
五条大橋 1.75km 12分27秒 0.68km・4分30秒
四条大橋 2.72km 19分01秒 0.97km・6分34秒
三条大橋 3.31km 22分51秒 0.59km・3分50秒
東山三条 3.87km 27分03秒 0.56km・4分12秒
三条神宮道 4.32km 30分03秒 0.45km・3分00秒
粟田神社前 4.44km 30分58秒 0.12km・0分55秒
蹴上の交差点 4.93km 34分12秒 0.49km・3分14秒
地下鉄蹴上駅 5.11km 35分45秒 0.18km・1分33秒
ねじりまんぽ(分線コースのスタート) 5.18km 36分17秒 0.07km・0分32秒
金地院 東照宮前 5.36km 37分40秒 0.18km・1分23秒
南禅寺 中門 5.51km 39分03秒 0.15km・1分23秒
(境内を見学)水路閣を出発 5.91km 43分07秒 0.40km・4分04秒
南禅寺 大寂門 6.19km 45分58秒 0.28km・2分51秒
琵琶湖から11km(東山高校前) 6.27km 46分44秒 0.08km・0分46秒
永観堂 6.39km 47分50秒 0.12km・1分06秒
若王子橋 6.65km 50分08秒 0.26km・2分18秒
大豊神社の参道 7.10km 53分35秒 0.45km・3分27秒
琵琶湖から12km 7.31km 55分17秒 0.21km・1分42秒
櫻橋 7.54km 56分54秒 0.23km・1分37秒
洗心橋 7.79km 58分59秒 0.25km・2分05秒
幸せ地蔵尊 8.03km 1時間00分39秒 0.24km・1分40秒
銀閣寺橋 8.19km 1時間01分58秒 0.16km・1分19秒
琵琶湖から13km 8.24km 1時間02分37秒 0.05km・0分39秒
今出川白川の交差点 8.59km 1時間06分18秒 0.35km・3分41秒
志賀越道を渡るところ 8.91km 1時間09分08秒 0.32km・2分50秒
琵琶湖から14km 9.23km 1時間11分39秒 0.32km・2分31秒
駒井家住宅 9.63km 1時間14分44秒 0.40km・3分05秒
東鞍馬口通を渡るところ 9.74km 1時間15分48秒 0.11km・1分04秒
北大路通の近くの叡電の踏切 10.43km 1時間20分53秒 0.69km・5分05秒
賀茂波爾神社 10.72km 1時間23分49秒 0.29km・2分56秒
高野川 10.92km 1時間25分44秒 0.20km・1分55秒
高野橋の東詰 11.10km 1時間27分08秒 0.18km・1分24秒
松ヶ崎浄水場 11.45km 1時間30分01秒 0.35km・2分53秒
北園橋 12.51km 1時間38分31秒 1.06km・8分30秒
疏水がトンネルに入るところ 12.65km 1時間39分35秒 0.14km・1分04秒
北大路下鴨中通 12.78km 1時間40分41秒 0.13km・1分06秒
丁字路の突き当たり 13.10km 1時間43分13秒 0.32km・2分32秒
北大路橋 13.24km 1時間44分25秒 0.14km・1分12秒
烏丸紫明 13.91km 1時間49分56秒 0.67km・5分31秒
堀川紫明(琵琶湖から20km・ゴール) 14.67km 1時間55分52秒 0.76km・5分56秒

帰り(計測をリセット):堀川紫明 → 近衛家別邸 0.59km・4分27秒 → 地下鉄鞍馬口駅の入口 0.72km・5分28秒

「琵琶湖から◯km」標柱の一覧

標柱 見つけた場所 距離 前の標柱から
11km 東山高校の前 6.27km —
12km 哲学の道(大豊神社と櫻橋の間) 7.31km 1.04km
13km 銀閣寺橋の先 8.24km 0.93km
14km 北白川の歩行者専用道路 9.23km 0.99km
15〜19km 見つけられず(公式マップでは北大路通〜紫明通) — —
20km 堀川紫明の公園 14.67km —

11kmから14kmまでは、どの区間もほぼ1km。標柱の距離は正確でした。

京都駅から蹴上・疏水分線・堀川紫明までのランニングルート地図

琵琶湖疏水を全部走って

8月の山科疏水から始めて、琵琶湖疏水を分けて走ってきました。

同じ琵琶湖の水が、ひとつは伏見港から宇治川へ、もうひとつは哲学の道を通って堀川へ。全部走ってみると、京都の街が琵琶湖の水でつながっていることがよくわかりました。

まとめ|疏水分線を走るときに知っておきたいこと

  • 京都駅から蹴上まで5.18km(鴨川と三条通)。分線だけなら地下鉄東西線の蹴上駅からスタート
  • そすいさんぽの分線コースは9.7km。走ったら南禅寺の見学をふくめて9.49km・1時間20分
  • 南禅寺から若王子までは疏水がトンネルの中。道路を北へ走る
  • 哲学の道は、疏水のすぐ横は狭いので隣の土の道を走る。銀閣寺橋の近くにトイレ
  • 今出川白川の先は二股を右。北白川は自転車も通らない歩行者専用道路で、いちばん走りやすい
  • 高野川はまっすぐ渡れない。南の高野橋まで回り道
  • 北大路下鴨中通の手前で疏水は見えなくなる。そこからは電柱の「そすいさんぽ」の看板を頼りに北大路橋へ
  • ゴールの堀川紫明は公園に20kmの標柱がある程度。帰りは地下鉄鞍馬口駅(0.72km)から京都駅まで乗り換えなし
  • 15〜19kmの標柱は見つけられなかったので、疏水の両側を見ながら走るのがおすすめ

哲学の道と南禅寺・永観堂の紅葉は、例年11月中旬〜下旬が見ごろです。京都の紅葉ランニング|早朝に走って見られる名所と見られない名所【距離・開門時間一覧】もあわせてどうぞ。

京都駅から走れるほかのコースは京都駅発ランニングコースまとめ|1.3km〜17.8kmのコースを距離順に紹介にまとめています。

琵琶湖疏水の施設や歴史、「そすいさんぽ」のマップは、公式の情報もあわせてご覧ください。
琵琶湖疏水(琵琶湖疏水沿線魅力創造協議会・京都市)

琵琶湖疏水の全区間の距離をまとめたガイドはこちら:琵琶湖疏水ランニング完全ガイド|大津から伏見港・堀川まで全区間約35km【距離看板・走れない区間・トイレ】

疏水分線の水が賀茂川に流れ込む出口(北大路橋の少し下流)は、こちらの記事で紹介しています:京都府立植物園の外周ランニング|1周2.57km・20分【京都駅から鴨川・賀茂川を走って8.6km】

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